オリーブオイルの官能分析

天然オリーブオイルの官能検査法

1- 目的と範囲

この国際的方法の目的は自然なオリーブオイルの味特徴を評価するために必要な基準を定め、分類の方法を開発することです。

2- 実施領域

この方法は天然オリーブオイルの分類を定め、そしてオリーブオイルの強烈さ、香り(フルーティーな味わい)と他のポジティブな特性における欠点を格付けするために、パネルのテイスターグループが使うべき実施法を明確にします。

3- 用語集

3.1- ポジティブな特性s

フルーティーな : 痛んでおらず、新鮮なオリーブ(完熟かそれとも未熟)とその多様性によって決まるオイルに特徴的な嗅覚の集合です。もしオイルはまだ熟していないオリーブから作られた場合、その香り(知覚されたフレーバー)は緑果実に似ています。もしオイルはすでに熟しているオリーブから作られた場合、その香り(知覚されたフレーバー)は緑と完熟(黒色)果実の両方に似ています。
苦い: 緑色オリーブや色変化途中のオリーブから得られたオイルの特徴的な味感覚です。これは舌における”V”部位の乳頭で知覚されます。
辛い : 主にまだ熟していないオリーブから収穫期間の初めに生産されたオイルの特徴的な鋭い感触です。これは口全体、特に喉を通じて知覚されます

3.2- ネガティブな特性

カビ・泥のような堆積物 : 嫌気的発酵の進行した段階になりやすい状況で積み重ねて保管したり槽や大桶の底部に沈殿する堆積物と接触し嫌気的発酵の進行した段階になったりしたオリーブから作られたオイルの特徴的なネガティブなフレーバーです。.

カビ臭い・湿った: 湿度が高い状況で数日も保管された結果、多数の菌類や酵母が発生した果実から作られたオイルの特徴的なネガティブなフレーバーです。

ワイン・酢のような : 一種のオイルの特徴的なワインや酢に似ている味です。この酢のようなフレーバーは主に酢酸、酢酸エチルとエタノールの形成を引き起こすオリーブにおける発酵過程によります。このフレーバーの原因はオリーブの嫌気的発酵あるいは適切に掃除されていないプレスマットに残されたオリーブペーストです。

金属性の : 金属に似た味です。これは破砕、混合、圧縮と保管のときに金属製の表面と長期に渡って接触したオイルの特徴です。

酸敗・酸化した: 強烈な(嫌気的)酸化の過程を経たオイルのフレーバーです。

熱させられた・焼けた : 加工中に過度のあるいは長期に渡った加熱を受けたオイルの特徴的な味です。これは特に不適切な状況でペーストが熱混合された場合に見られます。

干し草・木材: 乾燥したオリーブから作られたオイルの特徴的な味です。

粗い・生の: 古くなった一種のオイルが与える濃い、練り粉のような口いっぱいに広がる感覚です。

脂っこい: オイルのディーゼル油、油や鉱油に似ているネガティブなフレーバーと味です。

残留水: 発酵過程を経たオリーブの残留水と長期に渡った接触の結果として生じたオイルのフレーバーと味です。

塩水: 塩水で保存されたオリーブから抽出されたオイルのフレーバーと味です。

エスパルトグラス(マット・リネン袋): 新規のエスパルトグラスマットで圧縮されたオリーブから作られたオイルの特徴的なネガティブなフレーバーと味です。このフレーバーと味はマットに使用されたエスパルトグラスが緑色もしくは乾燥したものであったかによって異なります。

土のような: 土や泥とともに集められ、洗浄されていないオリーブから作られたオイルのネガティブなフレーバーです。

薄汚れた: ミバエの蠕虫によって感染されたオリーブから得られたオイルのネガティブな甘いフレーバーです。

キュウリ: 長期に渡ってブリキ容器で密封包装されたオイルの2,6-ノナジエナール形成に起因するキュウリのようなネガティブな味と軟らかい質感です。

湿った木材: オリーブ木の上で凍ったオリーブから抽出されたオイルのネガティブなフレーバーです。

3.3- 標識用の随意的用語集

要請に応じて、パネルリーダーはオイルが特性の強烈さと知覚によって次の形容詞の定義に適合することを認定する場合もあります。

A- 第3.1項で述べられたそれぞれのポジティブな特性に対して(フルーティー(完熟あるいは未熟)、辛いと苦い):

(i) 強烈なという名称(形容詞)は特徴の中央値(中位の値)が7以上の場合に使用可能です。
(ii) 中間の(平均的な)という名称(形容詞)は特徴の中央値(中位の値)が3と6の間にあった場合に使用可能です。
(iii)薄いという名称(形容詞)は特徴の中央値(中位の値)が2以下の場合に使用可能です。
(iv) もし特徴の中央値(中位の値)は3以上であることが要求された場合、副段落(i), (ii), (iii)で述べられた形容詞を使う必要がありません。

B- 均衡の取れた(適合性のある)という形容詞:オイルのフレーバー、味と感覚が均衡の不足を示さず、フルーティーさの中央値より苦いと・あるいは辛い特徴の中央値が2点以上に大きい場合に使用可能です。

C- マイルドなオイル(薄いという形容詞と区別することが重要)(甘いオイル):苦いと辛い特徴の中央値が2以下の場合に使用可能です。

4- パネル

パネルはパネルリーダーと8-12人のテイスターから構成されています。

パネルリーダーはパネルにおいて検査される多種のオイルについて十分な教育を受けた専門家です。パネルリーダーは組織とパネルの実績そして準備、番号化、テイスターへの発表、サンプルの収集とデータ処理に対して責任を持っています。

パネルリーダーはテイスターの研修を行い、彼らの実績が基準に準拠するかどうかを評価します。

テイスターは類似したサンプルを識別できる能力に応じて評価されます。テイスター研修修了証書は国際オリーブオイル審議会によって研修を適切に完成できた参加者に授与されます。

パネルは国家資格を持ち、学習期間の目標と官能基準を調和させるために官能検査の社会的・国際的組織でなければなりません。パネルは本条の第4項に準拠しなければなりません。

5- 官能検査の手順と天然オリーブオイルの分類

5.1- テイスターによるプロファイルシートの利用

テイスターによる利用を目的としたプロファイルシートの詳細は方法の図Aに掲載されています。

パネルの各テイスターは嗅覚・味覚・質的鼻後方・触覚と運動感覚の分析のためにテイスティング用グラスに収容されたオイルをまず嗅ぎそして味わいます。その後、テイスターは知覚されたポジティブとネガティブな特徴に対応する記述語の強烈さをこの目的に準備されたプロファイルシートに書き込みます。フルーティーさを完熟あるいは未熟として知覚した場合、テイスターはプロファイルシートで対応するボックスにチェックを入れます。

テイスターがプロファイルシートに掲載されていないネガティブな特徴を知覚した場合、テイスターはこれらを方法の第3.2項で記述された用語の中からもっとも適切なものを使って「その他」として記録するべきです。

パネルリーダーによるデータの利用

パネルリーダーは各テイスターのプロファイルシートを集め、記録された強烈さを精査します。もしパネルリーダーが異常な記録を見つけた場合、パネルリーダーはそれを書いたテイスターにプロファイルシートを見直す、もしくは必要に応じて検査を繰り返すように勧めます。

パネルリーダーは統計的計算値(中央値)を取得する方法が備わってるコンピュータープログラムに各テイスターのデータを入力します。一定のサンプルに関するデータは9個の官能特徴に対応する9個の列とN人のテイスターに対応するN個の行から構成されたマトリクスを使って入力すべきです。

もし半分以上のパネル参加者によって「その他」としてあるネガティブな特徴が書き込まれている場合、パネルリーダーはそのネガティブな特徴の中央値を計算し対応する分類を結論すべきです。

半分以上のテイスターが検査において使われたオイルのフルーティーな特徴を第3.3(a)項で述べられたように緑色と完熟という用語で記述した場合、オイルの特性はパネルリーダーによって確認され承認されることもあります。

コンプライアンス制御を評価するための検査は不可欠です。もし矛盾する評価があった場合、パネルリーダーは第二の評価を計画します。この評価を確認するために第三の評価が必要です。この場合、各特徴の中央値はすべての中央値の平均として計算されます。検査の繰り返しは毎回別のセッションで行われるべきです。

5.3 - オイルの等級付け

ネガティブな特性の中央値とフルーティーさの中央値は次のように等級付けされます。一番強烈として知覚されたネガティブな特性の中央値はすべてのネガティブな特性の中央値として決定されます。ネガティブな特性の中央値とフルーティーさは10進数として与えられ、そして変動係数は20%を超えてはいけません。

オイルはネガティブな特性の中央値とフルーティーさの中央値を以下に記述された参照範囲に従って比較することで等級付けされます。正確な結果が得られるようにこれらの範囲の制限を決定する際に計算方法の誤差を考慮に入れるべきです。統計表とグラフを使うコンピュータープログラムは等級付けの視覚化を補助します。

A- エクストラバージンオリーブオイル: ネガティブな特性の中央値が0であり、フルーティーさの中央値が1以上です。

B- オーディナリーバージンオリーブオイル: ネガティブな特性の中央値が0と3.5の間にあり、フルーティーさの中央値が1以上です。

C- ランパンテバージンオリーブオイル: ネガティブな特性の中央値が3.5です。ネガティブな特性の中央値が4以上であっても、フルーティーさの中央値は0のままです。

5.4- 特別な状況

もしフルーティーさ以外のポジティブな特性の中央値が5を超えた場合、パネルリーダーはこの値を分析の証書に記述すべきです。

Serdar Öçten ÜNSAL